社内報(まごころこみゅにけーしょん)より

Founderより

●13年7月1日号

消費税アップとカロリー表示

ありがとうございます。
「吉野家」さんの5月売上が前年同月比15.9%と2桁増(客数31%、客単価▲11.5%)と「すき家」▲8.8%、松屋▲8.1%を尻目に快進撃である。4月に牛丼280円の値下げが功を奏している。
製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、告知(promotion)をマーケッティングの4Pと呼ぶが、やはり低価格訴求の力はやはり大きい要素だ。
先日、安部社長にお聞きしたところ、「米国ビーフの仕入構造や諸経費管理など念入りに準備を進めてきた!」とのことでした。同じ商品なら、仕入や諸経費のコスト低減などが必須である。
一方、マクドナルドは「値下げでは永続的な利益の向上には繋がらない!」とハンバーガー100円を120円、チーズバーガー120円を150円など、値上げ戦略をとっている。更に24日からは、大き目のハンバーガー「クォーターバウンダー」500円の新作を投入し、回復を目指している。
セブンイレブンも、「金の食パン」一斤250円の高級パンを売出し、15日間で65万戸と大ヒットに繋げた。
来年の消費税アップに向け、各社とも精力的な試行を打ち出している。消費税が5%から8%あるいは10%に上がっても、値ごろ価格帯は変わらない。380円(388円)や280円は、消えない。ということは、消費税の転嫁は困難を極める。

原価コストを思い切り見直すか、付加価値を高めて価格を高めに設定するかであろう。
今からその体制を敷き、試行を始める必要がある。
最悪は、4月の消費税アップの日に、消費税分を値上げすることだ。ほとんどの小売企業は、その前に対応しているのだから、消費者は絶対納得しないだろう。早急に3%のコスト改善が必要である。

もう一つ、食品表示の一元化への対応が大きな課題だ。特に栄養価表示が原則、義務化される。
消費者の食安全や健康への関心が高まっている。総カロリー、脂肪分、野菜350g(1日)、塩分8g(1日)が浸透し、それに適しない料理では、お客様の支持は得られなくなるでしょう。そうであれば、チャンスと捉え、原価見直しと同時に、これらも変革してゆこう。
総カロリー抑制のために、ご飯や肉類の量目を10−20%減量する。
揚物を小さ目に減ずる、あるいは揚げ調理から、焼き料理に、蒸・煮に替えてみよう。(フィリップ社製のノンオイルフライヤーがバカ売れしているのも脱脂肪も要因だろう)
寒天・麩・蒟蒻や根菜類、豆類の活用もヘルシーだ。(原料コストは低減する)
また、高級食材をふんだんに使おう。ちょっぴりの贅沢感を望んでおられる。でもそれらは、まるごと高額原価にするのではなく、トッピングとして料理の上に盛り付け、贅沢おいしさとお値打ちの整合性あるように図ろう。
脂肪ギラギラ商品も、もちろん好まれる売れ筋品である。しかし、そうした料理こそ、たっぷり野菜を添えることが必要だ。
健康長寿と、嗜好の多様化、お値打ち価格の提案を成し遂げよう。

世の中に起きることは 全て 必要・必然・ベスト。思いを持てば 思いは実現する!